退けられるサウル王
- 日本語キリスト教会 デュッセルドルフ
- 3月1日
- 読了時間: 4分
聖書箇所: 第1サムエル記13章、15章
暗唱聖句:「子たちよ、今、わたしに聞き従え。幸いなことよ、わたしの道を守る者は」
箴言8章32節
今日のお話は、イスラエルの最初の王様、サウル王様が神様の御声に聞き従わないで、自分の考えや周りの人たちの意見に従って行動してしまったお話です。
サウル王様は最初はすごく控えめな人でしたが、いくつもの戦いに勝って、周りの人たちからちやほやされるようになると、いつの間にか神様の御声を聞くことを後回しにして、自分の力で何でもできるかのように思ってしまったのです。
ペリシテ人がイスラエルに攻めてきた時のことです。
ペリシテ人は戦車が3万、馬に乗った兵士が6千、歩きの兵士は数え切れないほどたくさんいました。
その一方、イスラエルはたったの3千人の兵士。
とても勝ち目がありません。
でも戦いの前にサムエルが来て、神様にささげものをして祈ってくれることになっていました。
神さまが共に戦ってくれるなら絶対に大丈夫。
兵士の数の多さなんて、全然問題じゃありません。
「私が行くまで待っていなさい」とサムエルに命じられていたので、サウルはじっと待っていました。
けれどサムエルは待てども待てどもやって来ません。
ペリシテ人を恐れて、怖いなぁー、僕は戦うのをやめて帰ろうかなぁーと言い出す兵士まで出てきました。
兵士の数が減ってしまっては大変!
待ちきれなくなってしまったサウルは、サムエルの代わりに自分で勝手に神さまにささげものをしてしまいました。
戦いの前に神さまにささげものをして祈ること、それは祭司だけに許されている特別な務めでした。
いくら王様でもやってはいけない事だったのです。
ちょうどそこに、サムエルがやって来ました。
「何という事をしたのですか」
あれこれ言い訳をするサウルにサムエルは言いました。
「神さまの命令を守らなかったあなたは、イスラエルの王様としてふさわしくありません」
その後、サウルはもう一つ大きな失敗をしました。
アマレク人との闘いの時のことです。
サムエルはサウルに神様の命令を伝えました。
「アマレクの町のすべてのものを滅ぼしてしまいなさい。いいですか、どんなに良いものでも持って帰らずにアマレクの町で焼いてしまいなさい」
サウルは大勢の兵士を呼び集め、あっという間にアマレクの町を攻め落としました。
戦いに勝ったサウルは、サムエルから聞いた神様の命令をすっかり忘れてしまって、丸々と太った羊や牛をたくさん連れて帰ってきて、こっそりと羊や牛を隠していました。
サウルが隠していても、神さまはすべての事をご存じです。
サウルがアマレクから羊や牛をたくさん連れて帰ってきて、こっそり隠していることも神さまはご存知でした。
神さまはサムエルに言いました。
「わたしはサウルをイスラエルの王にしたことを後悔している。サウルがわたしの命令を守らなかったからだ。」
サムエルがサウルに会いに行くと、サウルは嬉しそうに言いました。
「サムエルさん、私は神さまの命令を守って、アマレクのすべてのものを滅ぼしました。」
その時、モー、モー、メ―、メー、どこからか牛や羊の声が聞こえてきました。
「あの鳴き声は何ですか」サムエルが聞くと、
「あー、あれは、とってもりっぱな羊や牛なので、神さまに感謝のささげものをするために連れて帰ったのです。でもそのほかのものはもちろん、すべて滅ぼしました。」
と、サウルは言い訳をしました。
「あなたはなぜ神さまの命令に従わなかったのですか。神さまはどんなにりっぱなささげものよりもご自分の命令に従うことをお喜びになるのです。神さまの命令を守らなかったあなたは、イスラエルのイスラエルの王様としてふさわしくありません」
というサムエルの言葉を聞いて、「私は罪を犯しました。どうか私の罪を赦してください」とサウルは言いました。
けれどもサウルは心から反省して悔い改めることができませんでした。