聖書箇所:ルカの福音書 22章:31節~34節、 47節~71節
暗唱聖句:「わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」ルカの福音書22章32節
過越の祭りという大切なお祭りの時、ユダヤ人たちは家族で特別な夕食を食べます。
この過越の祭りが始まる時期に、イエス様は弟子たちとエルサレムにやって来て、
弟子たちと一緒に夕食を食べました。
食事の時のイエス様はいつもとちょっと違っていました。
「こうしてあなたたちと食事をするのは、これが最後になります」とイエス様が弟子たちに言った時、弟子たちにイエス様の言っている事の意味が分かりませんでした。
食事がすむとイエス様がペテロに言いました。
「ペテロ、わたしは、あなたの信仰がなくならないように祈りましたよ。」
ペテロはびっくりしました。
「え、僕の信仰がなくなるだなんて、なんでイエス様はこんな事を僕にいうのかな
ぁ????」
イエス様が話す事の意味が分からずにポカンとしているペテロに、イエス様は言い
ました。
「わたしから心が離れても、また信仰を取り戻したら、みんなを励ます人になりな
さい」
「僕の心がイエス様から離れるなんて、そんな事、絶対にありません。主よ、あな
たとご一緒になら、牢屋に入れられることも死ぬことも、僕は覚悟ができています
。」
と、力を込めて訴えるペテロに向かって、イエス様は静かに言いました。
「ペテロ、よく聞きなさい。あなたは今日、鶏が鳴くまでに3度、わたしを知らない
と言います」
夕食のあと、イエス様はゲツセマネの園に行き、お祈りをしました。すると、たく
さんの人たちが棒を持ってやって来て、イエス様を捕まえました。イエス様を憎む
指導者たちが送った人たちでした。この時、弟子たちは怖くなって全員いっせいに
逃げ出してしまいました。
でもペテロは途中で引き返して、連れていかれるイエス様の後を追って、誰にも気
づかれないようにそうっとついて行ってみると到着した場所は大祭司の家でした。
とても寒い真夜中でした。
大祭司の家の庭でたき火をしている人たちに混じっていると、突然ペテロは女の人
から声をかけられました。
「あら、あなた、イエスと一緒にいた人ですよね」
ペテロは慌てて言い返しました。
「イエスだって? そんな人は知らない!」
しばらくすると今度は男の人に声をかけられました。
「お前もイエスの仲間だよな。」
「違う。違うよ。イエスなんていう人、僕は全く知らないよ。」
うろたえているペテロのそばにやって来たまた別の男の人。
その男の人はペテロに近づいて、ペテロの顔をまじまじと観察して言いました。
「うん、確かにあなたもいつもイエスと一緒にいた人ですよね」
「何のことですか。僕は本当にイエスなんて知らないんだから、わけのわからない
事を言わないでくれ」
と、ペテロが叫んだ時、コケコッコーと鶏が鳴きました。
はっとして顔を上げると、遠くから振り向いたイエス様がペテロを見つめていまし
た。
「ペテロ、よく聞きなさい。あなたは今日、鶏が鳴くまでに3度、わたしを知らない
と言います」
イエス様のためになら死ぬ覚悟もできているというプライドがあったのに、いざと
なったら怖くなってイエス様を知らないと3度も言ってしまった自分、ペテロのプラ
イドはガタガタに砕かれてしまいました。
ペテロは大祭司の庭を飛び出して大声で泣きました。
けれどもイエス様はそんなペテロの弱さを知っていたから、ペテロの信仰がなくな
らないように、ペテロが立ち直れるように、立ち直ったら周りにいる人たちを励ま
す人になれるようにとペテロのために祈っていてくださったのです。
私たちも失敗する時、こんな私が神様に愛されるはずがないとか、赦されるはずが
ないと自分を責めてしまう時があります。
でもそんな時こそ、「わたしは、あなたのために、あなたの信仰がなくならないよ
うに祈りました」というイエス様のあわれみと愛のこもったこの御言葉を覚えてい
たいと思いました。
主題:仕返しをせず、神に委ねる
目標:自分で仕返しをせず、神が正しく裁いてくださると信じて委ね、神に従う。
暗唱聖句:ローマ12章21節「悪にまけてはいけません。むしろ、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」
導入:ダビデは神様の前に歩み、サウル王に家来として心から仕えていました。しかし、ダビデに人気が集まったことを妬んだサウルは、王位を奪われることを恐れ、ダビデを何度も殺そうとしたのでしたね。命がけで仕えてきた王に憎まれ、命まで狙われるなんてダビデは胸が張り裂けるように悲しかったことでしょう。
1.サウルから逃げるダビデ
ダビデはサウル王から逃げるため、親友のヨナタンと別れて、荒野を旅するようになりました。ダビデを尊敬する人が何百人もついてくるようになりましたが、洞窟や荒野に隠れていつ帰れるかもわかりません。とてもつらく、苦しかったけれど、ダビデはいつも神様に祈り自分を守ってくださる神様を信じ、神様により頼んでいました。
ある時サウルに「ダビデと仲間たちがジフの荒野に隠れている」と、密告する者がいました。サウルは早速優秀な兵士を三千人も連れて、ダビデを追いました。ダビデはサウルが近くまでやってきたことを知り、偵察を送ってサウルの部隊がどこにテントを張ったか調べさせました。そして、家来たちに言いました。「私と一緒に、サウル王のところにのところに行く者はいないか」アビシャイという家来がすぐに答えました。「私が一緒に参ります」
2.神様にさばきを委ねたダビデ
夜、ダビデとアビシャイはサウルの陣営にこっそり忍び込みました。静まり返ったテントの中で、サウルはぐっすり眠っていました。その枕元の地面には、王の槍が突き刺してあります。アビシャイはダビデに言いました。「これは、神様が与えて下さったまたとないチャンスです。私があの槍で一突きします。」もし、サウルが死ねば、ダビデはもう命を狙われずにすむのです。しかし、ダビデは答えました。9節を読みましょう。
9.しかし、ダビデはアビシャイに言った。「殺してはならない。主に油注がれた方に手を下して誰が無罪でおられよう。」サウルも、神様が選んだ王様なのだから、私たちが手を下せばそれは神様に逆らうことだ。必ず正しいさばきをなさる神様にお委ねしよう。ダビデはアビシャイを冷静に諭しました。そして、サウルの枕元にある、槍と水差しを持つと、テントから出ていきました。神様が兵士たちをぐっすりと眠らせたので、誰にも見つかりませんでした。
3.ダビデの訴え
ダビデは、少し離れた山の頂上に立ち、サウルたちのテントに向かって叫びまました。「兵士たちよ、何をしている?なぜ王様をお守りしなかったのだ。王様の枕元にあった槍と水差しはここにあるぞ。」サウルは、ダビデの声だと気づき、驚いて言いました。「ダビデ、お前なのか」ダビデは答えました。「王様、私です。なぜ、私の命を狙われるのですか。私はあなたに対して、何も悪いことをしていません。」
サウルは、ダビデが自分の水差しと槍を持っていることを知り、全てを察しました。「お前は私を殺そうと思えば簡単にできたのに、私の命を大切にしてくれた。ダビデよ、私が間違っていた。」ダビデは、神様を信じてお委ねした気持ちをサウルに打ち明けました。23~24節を読みましょう。
23.主はおのおの、その人の正しさと真実に報いて下さいます。主はきょうあなたを私の手に渡されましたが、私は主に油注がれた方に、この手を下したくはありませんでした。
24.きょう、私があなたの命を大切にしたように、主は私の命を大切にして、全ての苦しみから私を救い出してくださいます。
サウルは、自分がさんざんとひどい仕打ちをしたにもかかわらず、仕返しをせずに神様の前に正しく憎しみに駆られて神様のことを忘れ、行動してきた自分を反省したでしょう。「お前には神様が共におられる。これからもお前のすることはきっと成功するだろう。お前に祝福があるように」サウルはそう言って、自分の家に帰っていきました。
今日の箇所から学んだことは、生まれながらの人間は「やられたんだから当然自分にもやり返す権利がある」と考えるだろう。しかし神は、人が際限なく、繰り返す地の復習をすることをお許しにならない。キリストを信じている私たちの内には、キリストが生きておられる(ガラテア2,20)生まれながらの私たちは侮辱されれば復讐心に燃えるだろう。しかし、私たちの内におられるキリストは、私たちの生き方を変えて下さる。内なるキリストの御声に聞き従うとき、私たちは復讐心から解放され、悪に対して悪で返さず、かえって善をもって悪に打ち勝つ生き方に導かれるのである。キリストは私たちの内から復讐心を断ち切り、愛と希望に満ちた力強い生き方へと変えて下さる真の救い主である。
主題 心をご覧になる神
暗唱聖句 「人はうわべを見るが、主は心を見る。」第一サムエル記16章7節
目標 神は人の心をご覧になり、正しい評価をなさる方であることを知る。
導入
私たちは見た目でひとを判断しています。第一印象でこの人は苦手だなと思った人があとで親友になってくれたりします。相手の良いところは心の中に隠れているかもしれないのです。神様は人のうわべでなく、心の中をご覧になるお方です。神様は人の心を見て、神様に従う心を持った人を、サウルの次の王様としてお選びになりました。
1 エッサイのもとに遣わされるサムエル
サムエルは初めて王としてたてられたサウルが神様に従わなくなってしまったことにとてもがっかりしていました。神様はそんなサムエルにおっしゃいました。「いつまでサウルのことで悲しんでいるのか。私は次の王になる人を見つけている。ベツレヘムのエッサイという人のところに行きなさい。彼の息子たちの中に新しい王がいる」
サムエルは、サウル王に知れたら自分の命が危ないと不安でしたが、神様は「礼拝のために来たと言って、エッサイを食事に招きなさい。そこで私が王として選んだ人を教えよう。あなたは私のためにその人に油を注注きなさい」。サムエルは神様を信じてベツレヘムに出かけ、神様の命令通りにエッサイとその家族を食事に招きました。
2 神様に選ばれたダビデ
エッサイは息子を1人ずつ紹介しました。最初に紹介された長男のエリアブはとても背が高くて、見るからに立派な青年でした。サムエルはきっとこの青年が次の王として選ばれるに違いないと思っていました。けれども、神様はサムエルにおっしゃいました。「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る。」。
7人の息子たちが次々と挨拶しましたが、神様が選んだ人ではありませんでした。「あなたの息子はこれで全員ですか」とサムエルが尋ねると「あと1人末っ子がいますが、まだ子供で今外で羊の世話をしています」とエッサイが答えました。外にいたダビデは、血色も良く、目がキラキラと輝いている少年でした。神様はサムエルに「さぁ、この子に油を注ぎなさい。私が選んだのはこの子です。」サムエルは神様がおっしゃる通りにダビデに油を注ぎました。神様の祝福のしるしです。その日からダビデには神様の霊が注がれるようになりました。
3 サウルに使えるダビデ
神様に従わなくなったサウルからは、神様の霊が離れ、祝福が去っていきました。その代わりに災いをもたらす霊が下されたので、サウルをまるで病気の人のようになりました。家来たちは心配しサウルの心を癒すため、竪琴のうまい人を探しました。そこで心を癒すために呼ばれたのがダビデです。ダビデはサウルにつかえるようになり、竪琴をひいてサウルを元気づけました。こうしてダビデが王様になるための準備が神様のご計画によって始まったのです。
ポイント: 外見に惑わされないで、人の心を探る神様に信頼し歩みましょう!