ダビデとサウル
- 日本語キリスト教会 デュッセルドルフ
- 3月30日
- 読了時間: 4分
主題:仕返しをせず、神に委ねる
目標:自分で仕返しをせず、神が正しく裁いてくださると信じて委ね、神に従う。
暗唱聖句:ローマ12章21節「悪にまけてはいけません。むしろ、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」
導入:ダビデは神様の前に歩み、サウル王に家来として心から仕えていました。しかし、ダビデに人気が集まったことを妬んだサウルは、王位を奪われることを恐れ、ダビデを何度も殺そうとしたのでしたね。命がけで仕えてきた王に憎まれ、命まで狙われるなんてダビデは胸が張り裂けるように悲しかったことでしょう。
1.サウルから逃げるダビデ
ダビデはサウル王から逃げるため、親友のヨナタンと別れて、荒野を旅するようになりました。ダビデを尊敬する人が何百人もついてくるようになりましたが、洞窟や荒野に隠れていつ帰れるかもわかりません。とてもつらく、苦しかったけれど、ダビデはいつも神様に祈り自分を守ってくださる神様を信じ、神様により頼んでいました。
ある時サウルに「ダビデと仲間たちがジフの荒野に隠れている」と、密告する者がいました。サウルは早速優秀な兵士を三千人も連れて、ダビデを追いました。ダビデはサウルが近くまでやってきたことを知り、偵察を送ってサウルの部隊がどこにテントを張ったか調べさせました。そして、家来たちに言いました。「私と一緒に、サウル王のところにのところに行く者はいないか」アビシャイという家来がすぐに答えました。「私が一緒に参ります」
2.神様にさばきを委ねたダビデ
夜、ダビデとアビシャイはサウルの陣営にこっそり忍び込みました。静まり返ったテントの中で、サウルはぐっすり眠っていました。その枕元の地面には、王の槍が突き刺してあります。アビシャイはダビデに言いました。「これは、神様が与えて下さったまたとないチャンスです。私があの槍で一突きします。」もし、サウルが死ねば、ダビデはもう命を狙われずにすむのです。しかし、ダビデは答えました。9節を読みましょう。
9.しかし、ダビデはアビシャイに言った。「殺してはならない。主に油注がれた方に手を下して誰が無罪でおられよう。」サウルも、神様が選んだ王様なのだから、私たちが手を下せばそれは神様に逆らうことだ。必ず正しいさばきをなさる神様にお委ねしよう。ダビデはアビシャイを冷静に諭しました。そして、サウルの枕元にある、槍と水差しを持つと、テントから出ていきました。神様が兵士たちをぐっすりと眠らせたので、誰にも見つかりませんでした。
3.ダビデの訴え
ダビデは、少し離れた山の頂上に立ち、サウルたちのテントに向かって叫びまました。「兵士たちよ、何をしている?なぜ王様をお守りしなかったのだ。王様の枕元にあった槍と水差しはここにあるぞ。」サウルは、ダビデの声だと気づき、驚いて言いました。「ダビデ、お前なのか」ダビデは答えました。「王様、私です。なぜ、私の命を狙われるのですか。私はあなたに対して、何も悪いことをしていません。」
サウルは、ダビデが自分の水差しと槍を持っていることを知り、全てを察しました。「お前は私を殺そうと思えば簡単にできたのに、私の命を大切にしてくれた。ダビデよ、私が間違っていた。」ダビデは、神様を信じてお委ねした気持ちをサウルに打ち明けました。23~24節を読みましょう。
23.主はおのおの、その人の正しさと真実に報いて下さいます。主はきょうあなたを私の手に渡されましたが、私は主に油注がれた方に、この手を下したくはありませんでした。
24.きょう、私があなたの命を大切にしたように、主は私の命を大切にして、全ての苦しみから私を救い出してくださいます。
サウルは、自分がさんざんとひどい仕打ちをしたにもかかわらず、仕返しをせずに神様の前に正しく憎しみに駆られて神様のことを忘れ、行動してきた自分を反省したでしょう。「お前には神様が共におられる。これからもお前のすることはきっと成功するだろう。お前に祝福があるように」サウルはそう言って、自分の家に帰っていきました。
今日の箇所から学んだことは、生まれながらの人間は「やられたんだから当然自分にもやり返す権利がある」と考えるだろう。しかし神は、人が際限なく、繰り返す地の復習をすることをお許しにならない。キリストを信じている私たちの内には、キリストが生きておられる(ガラテア2,20)生まれながらの私たちは侮辱されれば復讐心に燃えるだろう。しかし、私たちの内におられるキリストは、私たちの生き方を変えて下さる。内なるキリストの御声に聞き従うとき、私たちは復讐心から解放され、悪に対して悪で返さず、かえって善をもって悪に打ち勝つ生き方に導かれるのである。キリストは私たちの内から復讐心を断ち切り、愛と希望に満ちた力強い生き方へと変えて下さる真の救い主である。